大学数学 定義の読み方!理解の仕方!

数学や数式に心を奪われ、大学数学を勉強しているみなさん。こんにちは!

大学数学と高校数学は全く別のもののようでなかなか難しいですよね。とくに定義の理解をすることが!!苦手意識、持っていませんか?定義への拒否反応はありませんか?

 そんな人はぜひ読んでください。私はただの学部3年生ですがこの目線だからこそ伝えられるものがあるかもしれないと思い、私なりのコツをまとめてみました。

 (私もはじめは全く読めていなかったけど、これさえ意識したらカンタンに理解できるようになりました!あなたもこれでカンペキに!とは言いません。言えません。でも頑張ってまとめたから読んでほしいなあー。)(定義ぐらいスラスラ読めるわボケ!と思った方はもう閉じてください。さよなら。)

使われている記号や文法を覚える

まずはこれです。数学の記述では独特な記号や記法が使われますよね。これらを覚えてください。これができていなければお話になりません。英単語や英文法を知らなければ英語の本を読めないのと同じことです。

ただ勉強してください。教授も説明してくれるでしょうし、大抵のものは調べたらわかります。このページなんかもいいですね。

https://mathtrain.jp/forallexists

(高校数学の美しい物語さん、いつもお世話になっております。ありがとうございます。)

あと私が理解しづらかったのは s.t.  です。さっちざっと。響きだけはかわいい。

A s.t. P ⇔ PであるようなA
とでも覚えてください。Aがもの(スカラーや行列、数列、部分空間など)でPが性質や命題です。要するに、前の言葉を後ろから説明するものです。関係代名詞?の制限かな?

これらはきちんと覚えましょう。覚えられないならどこかすぐ確認できるところにまとめましょう。ノートの表紙の裏側とかおすすめです。何度か確認しているうちに覚えます。

∀は口として使うためだけにあるわけではありませんからね(^∀ ^ )/

読み始める前に頭を真っ白にする

定義は、素直に読むことが大切です。もう一度言います。とにかく素直に読んでください。書いてあることをありのままに受け取る。これこそがすべきことであり難しい点です。そのために、偏見や先入観、自分の中の想像は排除してください。これが混乱のもとになります。

例えばですね、距離空間における開集合の定義と位相空間における開集合の定義は違うものじゃないですか。私はこれがすごく混乱しやすかったのですが、同じ単語を使うだけで別のものという認識をしたら理解できました。

大事なのは主語とその正体

定義はものに名前をつけるということで、結局はその条件や制限をまとめた文章です。ただの文章です。今あなたが読んでいるこの記事となんら変わりません。

文章は主語と述語が大切ですよね。これは数学についても同じです。

何が主語で何が述語(動詞)なのかを確認したあとは、登場人物が何者なのかを確認してください。スカラー、ベクトル、行列、集合、集合族、空間、などなど。これらが全く別のものであることはお分かりかと思いますが、ここを確認していないがために理解が甘くなるということはよくあります。(私自身と友人の体験談)

むしろここさえ確認すれば半分は完了とも言えるかもしれません。(映画を見始めて数分で主人公を把握したら落ち着いてストーリーを追えるような感じです。)

依存関係を確認する

なんかメンヘラっぽい語感ですが、これ大事です。登場人物が誰の影響を受けるのか。完全に独立している(任意に取ってよい)のか、先に出てきた誰かによって制限されるのか。

関数列の各点収束と一様収束がいい例ですね。同じ文字を使っていて、出てくる順番が違うだけですがこれが大きな違いです。各点収束は点を取ったあと、任意のεとそれに対応するδの存在が言えれば良いのですが、一様収束は点より先に任意のεを取り、それに対応するδの存在を考えます。つまり、

各点収束→δはεと点(位置?)に依存
一様収束→δはεのみに依存(点に依らない)

ということになります。(もちろん関数列そのものにも依存しますね。) 

まあ考えてみてください。カップルがカフェでお話ししているときに女性が現れたとします。その女性が店員さんなのか、彼女のお母さんなのか、宗教勧誘の人なのか、テロリストなのか、彼氏のもうひとりの彼女なのか、その設定によって今後の展開は大きく変わりますよね?え、余計にわからない?

わかる部分とわからない部分を明確にする

読んでいて何かしっくりこないというとき、自分がどこまで理解できていてどこに疑問や違和感があるのかを明確にしましょう。

「定義が理解できない」というのは大抵の場合、「何がわからないのかがわからない」という混乱状態です。混乱状態では落ち着いた思考ができませんから、整理をしてください。

わかったところはマルで囲み、わからないところは下線を引くというのがおすすめです。嘘です。各自の好きなようにするのがいいと思います。このときは接続詞まできちんと注意してくださいね。

整理した後にわからない単語や記号について調べたら案外飲み込めるのではないでしょうか。

音読する・自分の言葉で書きなおす

これは言葉の通りです。音読してください。わかっていてもわからなくても、これは効きます。算数の文章題がわからないときも音読するに限るじゃないですか(偏見)。同じですね。

例えば(みんな大好き!)ε-δ論法だったら、

任意の正の数εをとり、定義域から任意の点xをとる。それにたいしてある正の数δが存在して・・・

と、読んでください。こうしてみると、読んだつもりになっていたけど実は考えから抜けていたという要素が見つかることがあります。それがカギだったりするのでその確認の作業です。

また、与えられた形の定義(の書き方)をその通りに暗記しても、時間が経てば忘れてしまいます。そこで、自分なりにインプットするのがおすすめです。

私の場合このε-δ論法は「写した先(値域)で適当に幅(開区間)を設定したら、それにおさまるような写す前の幅(開区間)をとることができる」というふうに覚えています。ざっくりしていますしこれじゃ理解できないよという人もいるとは思います。が、これは私自身がわかるから良いのです。定義を書けと言われたら、この文章に合わせて絶対値とか不等号とかを用意して作ります。

例を考えてみる

これは私が尊敬している教授が何度も何度も言うことです。新しい定義に触れたらその例を作ってみましょう。定義を満たす例と、満たすように見せかけて満たさない例。

どれだけカンタンでも構いません。線形代数の直交補空間だったら「3次元空間において、平面と直線はOKで平面と平面はだめ。」というような具合です。(合ってますかね?)

実は私は、条件を満たす例よりも満たさない例の方が重要なのではないかと感じています。満たさない例が考えることは境界線の位置を把握していないとできないからです。

最初から自分でというのはなかなか難しいですから、調べてみるのもとても良いと思います。また、考えた例が間違っているのに気づけないとその後悲惨なことになりますから、友人や先生と確認できたらそれがベストだと思います。あとはTwitterとか知恵袋みたいなところで質問してみるのもいいのかもしれませんね。(私はやったことないですごめんなさい)

質問する 

いくら考えても理解できなければ諦めましょう。ひとりで理解することを。わからなければわかる人に教えてもらいましょう。友人にきくのもいいですが、教授に訊きに行くのがやっぱり早いです。数学科の教授ってすごくすごくすごく(#(すごく)=無限大)変な人ばかりですが、質問したら意外と丁寧に答えてくれることもあります。その教科の担当でなくても、説明がわかりやすい人や話しやすい人にきいてみるのがいいのではないでしょうか。

うーん、でも一緒に悩める友達(同志)がいるのが一番いいですかね。わいわい言い合って遠回りして理解するのも楽しいので。

まとめ

以上が私なりの定義理解のコツです。

1.頭をまっしろにする
2.定義を用意する(紙に書く)
3.登場人物の正体と依存関係に注意して読んでみる
4.混乱したらわかるところとわからないところをはっきりさせる
5.知らないことは調べる
6.音読する
7.自分の言葉にして覚える
8.例を考える
9.わからなければ質問する

こんなかんじでやってみてください。 

 

まあ数学は苦しんでなんぼってところあるので(偏見)一緒に悩みながらやっていきましょう。

すぐに(時間をかけずに)理解する必要はありませんから、のんびりと。

これを読んでくださった方、実践してくださった方、文句のある方、コメントしていただけたら嬉しいです……

 

追記

こうしてまとめてみたわけですが、実は、定義が読めないのは日本語に慣れていないせいなんじゃないかと思うことがあります。ごちゃごちゃ書かれていると拒否反応を起こして読んでもいない(文字として頭にインプットしていない)のにわけがわからないと言い張るとか、文の構造(何が主語で何が述語で修飾語が何にかかってるのかということ)を把握できないとか。

この記事も結局は「書いてあることを丁寧に読みましょう」としか言っていません。そもそも文を読むことに抵抗があるのであれば、小説でも読んで日本語に慣れるべきかと思います。がんばりましょう。